本サイトはプロモーションが含まれています。

逃げ上手の若君の結城宗広は本当にいた?怖すぎる性格と史実の3つの違い

逃げ上手の若君

逃げ上手の若君の結城宗広は本当にいた?怖すぎる性格と史実の3つの違い

『逃げ上手の若君』において、圧倒的なインパクト放つ異形の老将、結城宗広(ゆうきむねひろ)

北畠顕家を「お館様」と崇拝しながらも、その愛情表現はあまりに狂気的。「サイコパス」「化け物」と恐れられながら、なぜか憎めないそのキャラクターに魅了された方も多いのではないでしょうか?

史実における彼は、南朝を支えた忠義の士であり、白河結城氏の中興の祖とも言われる名将です。

この記事では、結城宗広の史実と作中の違い「狂気」の裏にある心理、そして息子・親房や顕家との関係性について深掘り解説します。

この記事のポイント

  • 史実の宗広:南朝に最後まで尽くした忠義の猛将
  • 逃げ若の宗広:愛する者を「物理的に」あの世へ連れて行きたいサイコパス
  • 注目点:北畠顕家への歪んだ愛と、息子・結城親光(作中:三十郎)との対比
  • 最期:伊勢からの出航と、無念の病死

結城宗広とは? 南北朝時代を駆け抜けた「白河の関」の主

結城宗広は、鎌倉末期から南北朝時代にかけて活躍した武将です。現在の福島県白河市周辺を拠点とした「白河結城氏」の当主であり、奥州(東北地方)における南朝方の重要人物でした。

南朝にとっての「最強の盾」

宗広は、後醍醐天皇の側近である北畠顕家(きたばたけあきいえ)に従い、足利尊氏との戦いで獅子奮迅の働きを見せました。

史実においても、彼の武勇と統率力は特筆すべきものであり、一度は京を制圧した足利軍を九州まで追い落とすなど、顕家の快進撃を支えた最大の功労者の一人です。「一騎当千の猛将」という評価は、決して大げさではありません。

結城宗広 キャラクター画像

『逃げ上手の若君』での描かれ方:残虐?それとも純粋?

本作における結城宗広の最大の特徴は、その常軌を逸した死生観にあります。

「好きなものは、あの世へ連れて行く」歪んだ愛情

読者に衝撃を与えたのは、彼の「愛情表現」です。

  • 敵の首をコレクションする
  • 愛する家族や部下こそ、自分の手で殺して極楽浄土へ連れて行きたいと願う
  • 薬売りの少女から毒薬を買い求める

これらは一見すると残虐非道な「サイコパス」の所業ですが、宗広本人にとっては「穢れた現世から救い出し、清らかな浄土へ送る」という純粋な善意に基づいています。この「話が通じない恐怖」と「愛嬌のある老人の笑顔」のギャップが、本作屈指の強烈なキャラクターを生み出しました。

北畠顕家との奇妙な絆

そんな狂気の宗広を唯一手懐けているのが、上司である北畠顕家です。宗広は顕家を心から崇拝しており、顕家もまた、宗広の狂気を「戦力」として巧みにコントロールしています。

史実においても、宗広は顕家が戦死した後も南朝への忠義を貫き通しました。作中の狂気的な描写も、裏を返せば「死んでも主君に尽くす」という異常なまでの忠誠心の表れと言えるかもしれません。

歴史の中の結城宗広と作中の違い

『逃げ若』では妖怪じみた姿で描かれますが、実際の歴史書ではどのように記されているのでしょうか。

史実との比較表

松井優征先生のアレンジと、史実の共通点・相違点を整理しました。

項目 歴史上の結城宗広 『逃げ上手の若君』の結城宗広
性格 忠義に厚く、仏教(時宗)に帰依 狂信的な念仏信者、サイコパス
北畠顕家との関係 南朝の柱石として支え合う 「お館様」と呼び、異様な溺愛を見せる
最期 伊勢から東国へ向かう船上で病死 (※物語の展開に注目)

実は「家族思い」だった?

史実の宗広には、家族宛の遺言状などが残されており、領地や家族の行く末を案じる武士らしい一面も確認されています。「家族を大切にする」という点は、作中の「(物理的に)浄土へ連れて行きたい」という歪んだ形ではあるものの、根底のテーマとして共通しているとも解釈できます。

息子・結城親光(三十郎)との対比

父とは異なる「正義」を選んだ息子

作中で北条時行と親しくなる「結城三十郎」のモデルは、宗広の息子・結城親光(ゆうきちかみつ)と考えられます。

父の狂気を受け継がず、真っ直ぐな武士として描かれる三十郎。父のもとを離れ、自分の信じる正義のために戦う姿は、混沌とした時代における「希望」の象徴です。

史実の結城親光もまた、「三木一草(建武の新政を支えた優れた4人の武士)」の一人に数えられる英雄です。父・宗広とは異なるアプローチで歴史に名を残した息子の活躍も、今後の物語の大きな見どころです。

まとめ:結城宗広を知れば『逃げ若』がもっと面白くなる

  • 南朝最強クラスの猛将:北畠顕家を支え、足利軍を大いに苦しめた実力者。
  • 衝撃のキャラ付け:「愛する者を殺して救う」という独自の死生観を持つ。
  • 史実とのリンク:晩年の伊勢での別れや病死など、歴史の転換点に関わる重要人物。

結城宗広は、単なる「怖い敵役」ではありません。その狂気の裏には、乱世における信仰心の極致や、主君への純粋すぎる忠誠心が見え隠れします。

彼が北畠顕家と共にどのような最期を迎えるのか。そして息子・三十郎との関係はどうなるのか。史実を知った上で『逃げ上手の若君』を読み返すと、宗広の不気味な笑顔も、また違った味わいに見えてくるはずです。

-逃げ上手の若君