『薬屋のひとりごと』を見ていると、ふと気になる関係性がありますよね。
緑青館のトップ・三姫のひとりであるメイメイ(梅梅)と、猫猫(マオマオ)にやたらと絡んでくる変人軍師・羅漢(ラカン)のことです。
「羅漢って、いつもメイメイの指名してるけど恋人なの?」
「もしかして、猫猫のお母さんってメイメイなんじゃない?」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
アニメや漫画を見ていて、二人の妙に落ち着いた距離感に違和感を覚えるのは当然だと思います。
今回は、原作小説から漫画版まで全巻読破している管理人が、検索キーワード「薬屋のひとりごと メイメイ 羅漢」でたどり着いた方が一番知りたいであろう「二人の本当の関係」と「物語の裏側にある感動的な真実」について、徹底的に深掘りしました。
※本記事には物語の核心に触れるネタバレが含まれます。アニメ未視聴の方や、これから原作を楽しみたい方はご注意ください。
この記事でわかること
- メイメイと羅漢は「恋人」ではなく「戦友」に近い関係
- 猫猫の母親はメイメイではない(本当の母親は別にいる)
- 羅漢が緑青館に通い続けた「泣ける理由」
- 最終的にメイメイが誰に身請けされたのか(その後の展開)
『薬屋のひとりごと』のメイメイと羅漢の関係は?愛人説と猫猫の母親説を検証
まず結論から言ってしまうと、この二人の関係は一言でいうと「昔なじみの共犯者」みたいなものです。
羅漢は足繁く緑青館に通ってメイメイを指名していますが、そこに一般的な「男女の情事」はありません。
私が原作を読み込んで分析した結果、二人が繋がっている理由は主に3つありました。
緑青館に通い詰める本当の理由とは
羅漢がメイメイを指名し続ける最大の理由。それは、彼女が「ある女性」の面影を色濃く残す、妹分のような存在だからです。
羅漢には、かつて愛し合いながらも悲劇的な別れをした「鳳仙(フォンシェン)」という遊女がいました。
メイメイは、その鳳仙と姉妹のように育った人物です。
つまり、あの変人軍師にとって彼女の部屋は、過去の過ちや愛した女性との思い出に浸れる唯一の場所なんですね。
メイメイ側もそれを痛いほど理解しているからこそ、文句を言いながらも彼を受け入れています。愛人というよりは、お互いに「あの頃」を知る数少ない生き証人として、奇妙な信頼関係で結ばれているんです。
碁と将棋の相手以上の信頼関係
もう一つの現実的な理由は、単純に「話が合うから」です。
作中でも描かれていますが、あの軍師殿は超一流の頭脳を持っています。囲碁や将棋で彼と対等に渡り合える相手なんて、そうそういません。
でも、三姫の中でも特に教養深く、芸事に秀でた彼女だけは違います。
盤上でバチバチにやり合いながら、酒を飲み、時には愚痴をこぼす。
これって、現代で言うところの「行きつけのバーのママと常連客」みたいな空気感に近いのかもしれません。
「母親」ではないが「母親代わり」だった
検索候補に「猫猫 母」と出てくることがよくありますが、これは完全に誤解です。
猫猫の実の母親はメイメイではありません。
ただ、母親と勘違いされるのも無理はないんです。
なぜなら、心を病んでしまった実母(鳳仙)に代わり、幼い猫猫に愛情を注ぎ、オムツを替え、あやしていたのが他ならぬ彼女だったから。
猫猫にとっても彼女は「お姉ちゃん」であり、同時に「育ての親の一人」でもあります。
物語の途中で猫猫に「実の父親(羅漢)」と向き合うよう手紙を送ったのも、親代わりとしての愛情からくる行動だったと言えます。
メイメイ(梅梅)の正体と年齢、声優について詳しく解説
ここで少し、キャラクターとしての彼女の魅力について整理しておきましょう。
派手な見た目に反して、中身はめちゃくちゃ常識人なんですよね。
| 名前 | 梅梅(メイメイ) |
|---|---|
| 立場 | 緑青館の三姫(トップ遊女の一人) |
| 得意分野 | 琴棋書画、舞踊、歌(芸事全般の達人) |
| 性格 | 面倒見が良い、情に厚い、甘え上手 |
三姫の中で最も常識人で苦労人
緑青館の三姫はキャラが濃いです。
・白鈴(パイリン): 筋肉好きで自由奔放
・女華(ジョカ): クールで毒舌
そんな中で、彼女は一番のしっかり者。やり手婆との緩衝材になったり、他の遊女の相談に乗ったりと、気苦労が絶えません。
年齢は意外と若い?作中の描写から推測
具体的な年齢は明言されていませんが、考察すると20代前半〜半ばだと思われます。
遊郭の世界では20歳を過ぎるとベテラン扱いされますが、鳳仙の妹分だった時期や猫猫の年齢(17歳前後)を考えると、30代には届いていないはずです。
あの落ち着き払った態度は、過酷な環境で生き抜いてきた経験値からくるものでしょう。
アニメ版の声優は誰?演技の魅力
アニメで彼女の声を担当しているのは、潘めぐみさんです。
個人的には、普段の甘い声と、真剣な話をする時の低いトーンの使い分けが最高だと思っています。
特に、羅漢に対して「あの人は不器用なだけ」と語るシーンの慈愛に満ちた演技は必聴です。
羅漢の正体と「顔が識別できない」病気について
一方、猫猫にストーカーまがいの執着を見せる羅漢。彼の行動原理を知ると、物語の見え方がガラッと変わります。
変人軍師と呼ばれる男の能力と欠点
彼はただの変人ではなく、国を左右するほどの天才的な軍師です。
しかし、彼には大きな欠点がありました。
それは、「人の顔が識別できない」という脳の機能障害(失顔症に近い描写)を持っていることです。
彼にとって、他人の顔は「将棋の駒」や「石ころ」のように見えています。
だからこそ、人に対して関心が薄く、冷酷な判断も下せるのです。
なぜ特定の人物だけ顔が見えるのか
そんな彼ですが、例外的に「顔がはっきり見える」相手がいます。
それが、娘である猫猫と、かつて愛した鳳仙です。
彼にとって世界はモノクロの碁盤のようなものでしたが、鳳仙と出会った時だけ、世界に色がつき、顔が見えるようになった。
この設定、ロマンチックすぎてズルいですよね。
彼がなぜあれほど猫猫に執着するのかというと、彼女が「愛する人の忘れ形見」であり、唯一「人間として認識できる存在」だからなんです。
羅漢が身請けしたのはメイメイではなく鳳仙だった理由
さて、ここがこの記事で一番お伝えしたいポイントです。
物語のクライマックス(アニメ第2期終盤)で、ついに羅漢が緑青館の誰かを身請けするシーンが描かれます。
多くの読者は「メイメイが身請けされるのかな?」と思ったはずです。
でも、結果は違いました。
枯れた薔薇を選んだ身請け劇の真相
羅漢が莫大な身請け金を用意して指名したのは、若くて美しい三姫ではなく、梅毒を患い、隔離された部屋で死を待つばかりとなっていた鳳仙でした。
鼻が落ち、精神も崩壊し、かつての美貌を失った「枯れた薔薇」。
それでも羅漢にとって、彼女こそが唯一無二の愛する女性だったのです。
このシーン、原作でもアニメでも屈指の号泣ポイントです。
「顔が識別できない」彼には、今の変わり果てた姿さえも、昔と変わらず美しく見えていたのかもしれません。
あの時、三姫が見せた粋な計らい
ここで泣けるのが、メイメイたちの対応です。
彼女はずっと、羅漢がいつか姉(鳳仙)を迎えに来ると信じていました。
だから、自分の身請け話よりも、この二人の再会を優先させたのです。
羅漢が鳳仙を選んだ時、彼女は嫉妬するどころか、晴れやかな顔で二人を送り出しました。
「ようやく、あの人が迎えに来てくれた」と、自分のことのように喜べる。
メイメイという女性の器の大きさに、私は完全に惚れました。
メイメイの好きな人は誰?その後どうなったのか
「じゃあ、残されたメイメイはどうなるの?幸せになれるの?」と心配になった方もいると思います。
安心してください。
ずっと想い続けていた相手の存在
実は彼女、羅漢のことはあくまで「姉の相手」として見ており、彼女自身には別に想い人がいたような描写があります。
それは特定の誰かというよりは、「いつか自分を本当に愛して身請けしてくれる誰か」を夢見ていたのかもしれません。
身請け話の結末と選んだ相手
原作小説のその後の展開をお話しすると、彼女は羅漢の一件が落ち着いた後、別の裕福な良客に身請けされて緑青館を引退します。
その相手は、羅漢のように変人ではなく、彼女の芸事や人柄を深く愛してくれる穏やかな人物だとか。
三姫の中では一番早く引退が決まり、幸せな家庭を築くことになります。
あれだけ苦労して、他人のために尽くしてきた彼女ですから、誰よりも幸せになってくれないと嘘ですよね。
まとめ
今回は「薬屋のひとりごと」のメイメイと羅漢について、その関係性や身請けの真実を解説しました。
- メイメイと羅漢は恋人ではない: 亡き鳳仙を想う「同志」のような関係。
- 猫猫の母親ではない: 育ての親として深い愛情を注いでいた。
- 身請けの結末: 羅漢は鳳仙を選び、メイメイはそれを祝福して送り出した。
- その後: メイメイ自身も別の良客に身請けされ、幸せな引退を迎えた。
アニメや漫画で見ると、羅漢はただの変なオヤジに見えるかもしれません。
でも、彼がメイメイの元に通っていた理由や、最後に下した決断を知ってから見返すと、あのコミカルなやり取りの中に「切ない愛」が見えてくるはずです。
もし、まだアニメの「身請けシーン」を見ていない方がいれば、ぜひハンカチを用意して見てみてください。
メイメイが羅漢の背中を押すあの表情、本当に素敵ですから。

