「えっ、壬氏さまが自分の体に焼き印を入れたって本当?」
「アニメや漫画で見当たらないんだけど、一体どこで読めるの?」
SNSやファンの感想を見ていると、時々ぎょっとするような話題が飛び込んできますよね。『薬屋のひとりごと』のファンの間で語り継がれる、あの美貌の宦官(実は皇弟)が自らの体に消えない傷を刻むという衝撃的なエピソード。
私も最初は「まさかあの壬氏が?」と半信半疑で、手元の本やWebサイトをひっくり返して探した記憶があります。結論から言うと、このエピソードは探す場所を間違えると一生見つかりません。
この記事では、徹底的に作品を読み込んできた筆者が、壬氏の焼印シーンが描かれている具体的な巻数・話数と、なぜそんな行動に出たのかという背景について、ネタバレありでじっくり解説します。
※本記事には『薬屋のひとりごと』の物語確信に触れるネタバレや、一部痛々しい描写の解説が含まれます。未読の方はご注意ください。
この記事のポイント
- 焼印シーンは小説(書籍版)だけのオリジナル展開
- Web版(なろう)をいくら探しても見つからない理由
- 具体的な収録巻数はヒーロー文庫の第8巻
- 漫画やアニメでの登場はまだ数年先になる予想
- 壬氏がそこまでした「2つの重すぎる理由」
薬屋のひとりごとで壬氏の「焼印」は何巻何話?小説・漫画・なろう版の掲載状況
まず一番知りたいのが「どこで読めるのか」ですよね。実はこのエピソード、メディアによって扱いが全然違うんです。私が実際に各メディアの掲載状況を調べて整理してみました。
| メディア | 焼印シーンの有無・収録場所 |
|---|---|
| 書籍版小説 (ヒーロー文庫) |
あり(第8巻 20話「王手」) |
| Web版 (小説家になろう) |
なし(記述なし) |
| 漫画版 (スクエニ・サンデー) |
未到達(2025年時点) |
| アニメ | 未放送 |
書籍版(文庫)では8巻のクライマックスに登場
探している方は、迷わずヒーロー文庫の第8巻を手に取ってください。話数で言うと「二十話 王手」というエピソードです。
この8巻は、壬氏にとっても猫猫にとっても大きな転換点となる巻です。羅漢との碁の勝負があったり、物語が大きく動くのですが、その最後の最後でとんでもない爆弾を投下してきます。「王手」というタイトルの意味を知ったとき、背筋がゾクッとしました。
Web版(なろう)には存在しないオリジナル展開
ここが一番の落とし穴なんですが、ネットで無料で読める「小説家になろう」版には、このシーンが存在しません。
私も気になって、Web版の該当するあたり(第3部~第4部周辺)をくまなく読み直してみたんですが、壬氏が覚悟を決める流れや会話はあるものの、実際に焼きごてを肌に押し当てる描写はありませんでした。
どうやら書籍化する際に、ドラマチックな展開として加筆されたエピソードのようです。なので、「なろう版の何話?」と検索しても見つからないのは当然なんですね。
漫画やアニメで見られるのはいつ頃?
2025年現在、漫画版(ビッグガンガン版・サンデーGX版ともに)はまだこのシーンまで到達していません。ペース的に考えると、漫画で描かれるのはもう少し先になりそうです。
アニメに関しても、もし順当に続編が制作されれば、恐らく第4期あたりになるのではないかと予想しています。映像で見たらあまりに衝撃的すぎて、視聴者が悲鳴を上げそうですが……。
なぜ壬氏は焼印を押したのか?その理由と衝撃の覚悟
それにしても、なぜあの美しい容姿を持つ壬氏が、自らの脇腹に一生消えない傷を、しかも熱した鉄で刻み込んだのでしょうか。
小説8巻を読み解くと、そこには単なる「愛」という言葉では片づけられない、狂気にも似た2つの理由が見えてきます。
皇位継承権を放棄するための物理的な証
一つ目の理由は、彼自身の身分に関わることです。
壬氏の正体は、公には皇帝の弟(皇弟)とされていますが、実際にはさらに複雑で高貴な血筋です。周囲は彼が次の皇帝になることを望んでいますが、本人はそれを頑なに拒んでいます。
そこで彼が選んだのが、「玉葉后(現皇帝の妃)の紋」を体に焼き付けることでした。
かつて焼き印は奴隷の所有者を示すものでした。つまり、兄の妃である玉葉后の家紋を体に刻むことで、「私は皇帝になるつもりはない。玉葉后とその息子(東宮)に仕える一介の臣下(奴隷)である」と物理的に証明して見せたのです。
体に傷のある者は玉座につけない、という不文律を利用した、捨て身の作戦とも言えます。
猫猫の不安を取り除き逃げ道をふさぐため
そしてもう一つ、個人的にはこちらの理由の方が強烈だと思います。それは猫猫へのプロポーズです。
以前、猫猫は壬氏に対し「玉葉后の敵になりたくない」と言ったことがありました。もし壬氏と結ばれて彼が皇帝になれば、自分の立場が玉葉后を脅かすことになるかもしれない。そんな面倒ごとは御免だ、という意味です。
その言葉に対し、壬氏は行動で答えました。
「ほら見ろ、俺は玉葉后の『所有物』になったぞ。これで敵対することは絶対にない。だから、もう断る理由はないだろう?」
というわけです。これを猫猫の目の前(しかも皇帝と玉葉后の面前)でやってのけるのですから、とんでもない執着です。まさに退路を断つ「王手(チェックメイト)」ですよね。
あのシーンへの猫猫の反応と読者の感想
このシーンを読んだとき、私は思わず本を閉じて天を仰ぎました。「そこまでするか」と。
実際に、この場面には多くの読者が衝撃を受けています。
「この○○趣味野郎!」と罵りながらの手当て
目の前で焼ける音と匂いを感じた猫猫のリアクションも秀逸でした。
普通のヒロインなら泣いて止めたり気絶したりするかもしれませんが、そこは薬屋の猫猫です。内心で「この被虐趣味(マゾ)野郎!」「馬鹿じゃないの!?」と盛大に毒づきながら、すぐに医師としての顔になり、的確な処置を行います。
呆れ果てつつも、ここまでされたら見捨てるわけにはいかないと腹をくくる姿。この一件で、二人の関係は「主と従者」から「共犯者」のような、切っても切れないものへと変化しました。
「重すぎる愛」に震えるファンたち
ネット上の感想を見ても、「壬氏さまの愛が重すぎる」「ヤンデレ一歩手前では?」「でも、そこがいい」といった声が多く見られます。
ただのイケメンスパダリではなく、目的のためなら自分の体すら傷つける危うさ。この人間臭い「必死さ」が、読者を惹きつけてやまない理由なのかもしれません。
まとめ:壬氏の覚悟を目撃するなら小説8巻を読もう
今回は『薬屋のひとりごと』の中でも屈指の衝撃シーンについて解説しました。
あらためて整理すると、以下の通りです。
- 掲載巻数: 小説(ヒーロー文庫)第8巻 20話「王手」
- Web版: なろう版には記述なし
- 理由: 皇位継承権の放棄と、猫猫への究極の求婚
Web版や漫画派の人にとっては未知のエピソードだったかもしれません。でも、この焼印の一件を知ってから物語を見ると、壬氏の猫猫に向ける視線の意味がまったく違って見えてくるはずです。
まだ読んでいない方は、ぜひ小説8巻を手に取ってみてください。あの涼しげな顔の下に隠された、煮えたぎるような情熱と覚悟に、きっと圧倒されるはずです。

