最近、『葬送のフリーレン』の原作を読み返していて、ふと手が止まったことありませんか?
特に帝国編に入ってから、さらっと出てきた「ある名前」に衝撃を受けた人も多いはず。そう、大魔法使いミーヌスです。
ゼーリエやフリーレンと並んで「大魔法使い」と呼ばれる存在なのに、登場したときには既に故人。しかも「大逆の魔女」なんていう物騒な異名まで付いている。
「え、誰に殺されたの?」
「フェルンの過去と関係あるんじゃない?」
と、ネット上でも様々な考察が飛び交っています。
そこで今回は、原作全巻を読み込み、さらに最新話までの情報を徹底的に整理してみました。ミーヌスの正体や死亡理由、そして物語の根幹に関わるかもしれない「ある仮説」について、私なりの分析レポートをお届けします。
※本記事には原作コミック(特に帝国編・第133話以降)の重大なネタバレが含まれます。アニメ派の方はご注意ください。
この記事のポイント
- ミーヌスはゼーリエ、フリーレンと並ぶ「3人の大魔法使い」のひとり
- 「大逆の魔女」として南側諸国に戦乱をもたらし、約20年前に死亡している
- 彼女を討ち取ったのは「影なる戦士」の指揮官レーヴェである可能性が高い
- フェルンが戦災孤児になった原因と、ミーヌスの起こした戦乱には時期的な一致がある
『葬送のフリーレン』に登場する大魔法使いミーヌスの正体とは?
物語も終盤に差し掛かり、突如としてその存在が明かされた「ミーヌス」。
彼女はいったい何者なのか?まずは作中で判明している事実関係を整理しておきましょう。
「大逆の魔女」と呼ばれるエルフの女性
ミーヌスは、ゼーリエやフリーレンと同じくエルフの女性です。
エルフといえば長命種。彼女もまた、数千年単位の時を生きてきた伝説的な魔法使いの一人だと考えられます。
しかし、彼女に付けられた異名は「大逆の魔女」。
これ、かなり不穏ですよね。ただ強いだけでなく、人類や社会に対して何かしらの「反逆」を行ったことを示唆しています。
実際、彼女は南側諸国に「終わりなき戦乱」をもたらした張本人とされており、その影響力は一国の軍事バランスを崩壊させるほどだったようです。平和を願うフリーレンたちとは真逆の道を歩んだエルフ、といったところでしょうか。
聖杖の証を持つ3人の実力者のひとり
作中では「現存する3人の大魔法使い」というフレーズが登場します。
私が調べた限り、この3人の内訳は以下のようになっています。
- ゼーリエ(大陸魔法協会の創始者)
- フリーレン(最後の大魔法使い)
- ミーヌス(ただし現在は故人)
彼女たちの共通点は、あの古びた首飾り「聖杖の証(せいじょうのあかし)」を持っていること。
一級魔法使いのゲナウがフリーレンの証を見て「最後の大魔法使いか」と呟いたように、この証こそが実力の証明書みたいなものなんですね。
つまりミーヌスは、ぽっと出の敵キャラではなく、フリーレンやゼーリエと同格の「歴史上の怪物」だったわけです。
ミーヌスの死亡シーンと死因|誰に殺されたのかを徹底調査
そんな伝説級の大魔法使いミーヌスですが、実は物語開始時点で既に亡くなっています。
しかも驚くべきことに、寿命ではなく「誰かに殺された」というのです。
南側諸国に戦乱をもたらし、20年前に討ち取られる
記録によれば、ミーヌスが死亡したのは物語の現在軸から見て約20年前。
南側諸国を混乱に陥れていた彼女は、辺境の小国にいた「名もなき戦士」によって討ち取られたとされています。
世間的には「相打ち」だったと伝わっていますが、大魔法使いが単身の戦士に敗れるというのは、この世界のパワーバランスを考えると異常事態です。ゼーリエですら「魔法使いでは私に勝てない」と豪語していますが、逆に言えば「戦士ならワンチャンある」という伏線だったのかもしれません。
犯人は影なる戦士の指揮官レーヴェという説
では、ミーヌスを殺したのは一体誰なのか?
原作133話を詳しく読み解くと、ほぼ確定と言える情報が出てきます。
帝国の特務機関「影なる戦士」の指揮官であるレーヴェ。彼が持っていたアイテムと身体的特徴が、決定的な証拠になっていました。
- レーヴェが部下に「ミーヌスの聖杖の証」を見せている
- ミーヌスを倒した戦士は、顔に酷い火傷を負い、片目を失った描写がある
- 現在のレーヴェも、右目に眼帯と火傷の痕がある
これらを繋ぎ合わせると、「ミーヌスを殺した名もなき戦士=若き日のレーヴェ」であることは間違いないでしょう。
彼は大魔法使い殺しのスペシャリストとして、今度はゼーリエの命を狙っている……というのが帝国編の緊張感の正体なんですね。
大魔法使いミーヌスの強さと「大逆」の意味を考察
ここからは少し深掘りして、彼女が物語においてどんな役割を持っているのか、独自に分析してみます。
ゼーリエを殺せる可能性を示唆する「死のフラグ」
なぜこのタイミングでミーヌスの話が出てきたのか。
それは、「最強のゼーリエであっても、戦士相手なら死ぬ可能性がある」という前例を示すためではないでしょうか。
読者としては「ゼーリエが負けるわけないじゃん」と思いがちですが、過去に同じ大魔法使いであるミーヌスが戦士(レーヴェ)に敗れているという事実は、ゼーリエ暗殺計画が決して無謀ではないことを裏付けています。
いわばミーヌスは、ゼーリエにとっての「悪い予兆(フラグ)」として描かれているような気がしてなりません。
ドイツ語の名前が示す「マイナス」の役割
『葬送のフリーレン』のキャラ名はドイツ語由来が多いことで有名ですが、ミーヌス(Minus)はドイツ語で「マイナス」「不足」を意味します。
これ、かなり意味深ですよね。
平和や繁栄にとっての「マイナス」だったのか、あるいは彼女自身が何かを奪われて「欠落」してしまった存在だったのか。
「大逆の魔女」として反旗を翻した理由も、何らかの絶望や喪失がきっかけだったのかもしれません。
フェルンとの関係性やミリアルデとの違いについて
調査を進める中で、もう一つ気になる点が見つかりました。
それはフリーレンの弟子、フェルンとの奇妙なリンクです。
南側諸国の戦災孤児となった背景とのリンク
フェルンは南側諸国の出身で、戦争で両親を失い、絶望して自殺しようとした過去があります。
ここで時系列を確認してみましょう。
- ミーヌスが討ち取られたのは約20年前
- フェルンが生まれたのも計算上、およそ20年前
- ミーヌスは南側諸国に戦乱をもたらした元凶
この一致、偶然にしては出来すぎていませんか?
フェルンの両親を奪った戦争の原因を作ったのが、実はミーヌスだった可能性が高いのです。
さらに言えば、そのミーヌスを倒して戦争を終わらせたのがレーヴェだとすると、レーヴェは間接的にフェルンの仇を討った(あるいは運命を変えた)人物ということになります。この辺りの因縁が、今後の展開でどう絡んでくるのか注目です。
聖杖法院のエルフはミリアルデか別人か
ちなみに、ミーヌスとよく混同されがちなのが、フリーレンの回想に出てくるエルフのミリアルデです。
帝国には「聖杖法院」という組織があり、そのトップらしきエルフのシルエットが描かれたことがありました。
「これってミーヌス? それともミリアルデ?」と話題になりましたが、ミーヌスは既に死亡しているため、このシルエットの人物はミリアルデである可能性が高いと推測されています。
かつては無気力に過ごしていたミリアルデが、もし帝国の裏組織に関わっているとしたら……。ミーヌスの死とも何か関係があるのかもしれません。
まとめ
今回は『葬送のフリーレン』に登場する謎多き大魔法使い、ミーヌスについて深掘りしてみました。
調べてみて分かったのは、彼女が単なる過去のキャラクターではなく、現在の帝国編における緊張感を生み出すキーパーソンだということです。
- ゼーリエ、フリーレンと並ぶ実力者だった
- 約20年前、南側諸国で「名もなき戦士(レーヴェ)」に討たれた
- 彼女の起こした戦乱は、フェルンの過去と深く繋がっている可能性がある
「大逆の魔女」と呼ばれた彼女が、なぜ人類に牙を剥いたのか。
その理由はまだ語られていませんが、レーヴェが持っている彼女の「聖杖の証」が、今後何かを語る日が来るのかもしれません。
アニメ派の人にはまだ先の話になりますが、原作勢としてはこれからの展開にますます目が離せませんね。まだ読んでいない方は、ぜひ14巻あたりを読み返して、レーヴェの眼帯の下の真実を想像してみてください。

