「葬送のフリーレン」のアニメや原作を見ていて、ふと気になるキャラクターがいませんでしたか?
小柄でかわいらしい少女の見た目をしているのに、口を開けば「儂(わし)は~じゃ」という完全なおばあちゃん口調。そう、エーデルです。
一級魔法使い試験編ではそこまで派手なバトルシーンがあったわけではないのに、なぜか記憶に残るあの存在感。ネット上の感想や考察を調べてみても、「実はめちゃくちゃ有能なのでは?」「いや、かわいいだけ枠でしょ」と評価が分かれているのを目にします。
そこで今回は、原作コミックスや公式ファンブック、アニメの描写を隅々まで見返し、彼女の正体や能力、そして「その後」の活躍について徹底的に深掘りしてみました。調査してみると、彼女はただの「のじゃロリ」キャラではなく、物語の鍵を握る超重要人物だということが分かってきましたよ。
※本記事には原作漫画(特に黄金郷のマハト編)のネタバレや、物語の核心に触れる解説が含まれますのでご注意ください。
この記事のポイント
- 見た目は少女でも中身は老練?「のじゃ」口調の理由を分析
- 実は作中トップクラス!精神魔法と記憶読み取り能力の凄さ
- 「戦闘力皆無」は本当か?アニメ版のオリジナル描写との違い
- 試験脱落後の大金星!黄金郷のマハト編での決定的な活躍
- パン屋での「くまさん」選びなど、意外とかわいい素顔
葬送のフリーレンのエーデルとは?身長や年齢などのプロフィール詳細
まずは、彼女が一体何者なのか、基本的なプロフィールを整理しておきましょう。
彼女は二級魔法使いとして一級試験に参加しました。パーティーメンバーはスキンヘッドのブライと、口ひげのドゥンスト。荒くれ者っぽい二人を小さな彼女が従えている構図は、なんだか妙に絵になりますよね。
二級魔法使いとしての実力と性格
彼女の専門は「精神魔法」です。特に精神操作魔法を生業とする一族の出身で、その界隈ではかなり名の知れた存在のようです。
性格は非常に冷静沈着。「儂(わし)」という一人称や古風な話し方のせいか、常に落ち着き払って見えます。身長については公式データはありませんが、作中で小柄なフリーレン(約150cm前後と推測される)よりもさらに小さく描かれているコマが多いことから、140cm前後ではないかと推測できます。デンケンなどの年配キャラと並ぶと、まるで孫とおじいちゃんのようなサイズ感です。
アニメの声優は黒沢ともよさん
アニメ版で彼女の声を担当しているのは、黒沢ともよさんです。『響け!ユーフォニアム』の黄前久美子役などで知られる実力派ですね。
見た目の幼さと、内面の老成した雰囲気が同居する難しい役どころですが、絶妙な「のじゃ感」で演じきっています。SNSなどでも「声がイメージ通りすぎる」「聞いていて癖になる」といった声が多く見られました。
エーデルの正体はエルフなのか、なぜ幼い見た目で「儂」という老人口調を使うのか
検索候補を見ていると、多くの人が疑問に思っているのが「彼女は実はエルフなのでは?」という点です。
確かに、あの見た目で「儂は~じゃ」なんて話していたら、中身は何百歳も生きている長寿種なんじゃないかと疑いたくなりますよね。
長寿種のような話し方の背景
結論から言うと、彼女は人間である可能性が極めて高いです。
もし彼女がエルフであれば、同族であるフリーレンや、エルフ嫌いのゼーリエが何らかの反応を示すはずですが、作中ではそういった描写は一切ありません。また、レルネンなどの人間キャラも彼女を普通の人間として扱っています。
ではなぜあんな口調なのか。作中でのヒントは「精神操作魔法を生業とする一族」という点です。歴史ある古い家柄のようなので、厳格な教育を受けた結果なのか、あるいは一族特有の「威厳を保つための話し方」なのかもしれません。単純に「おじいちゃん子」だった可能性も捨てきれませんが、今のところは「そういうキャラ属性の人間」と考えるのが妥当でしょう。
耳が隠れているヘアスタイルが憶測を呼んだ?
もう一つ、エルフ説が出た理由として「耳が見えない」ことがあります。彼女の髪型はふんわりしたボブヘアで、耳が完全に隠れています。
フリーレンたちの尖った耳を確認できないため、「隠しているのでは?」と深読みしたくなりますが、これは単なるデザイン上の特徴だと思われます。漫画的な表現として、ミステリアスな雰囲気を出すのに一役買っていますね。
エーデルが使う「精神操作魔法」や「記憶を読む魔法」の強さと発動条件
一見すると戦闘には向かなそうな彼女ですが、サポート役としての能力はずば抜けています。私が作中の描写を分析した限り、特定の条件下では最強クラスの魔法使いと言っても過言ではありません。
精神魔法の専門家としての評価
一級魔法使いであるレルネンをして「今の一級魔法使いには君程優れた精神魔法の専門家は存在しない」と言わしめるほどの実力者です。フリーレンですら彼女のことを「とんでもない程の精神魔法の使い手」と評価しています。
彼女が使える主な魔法は以下の通りです。
- 精神操作魔法:相手を意のままに操る(「跪け」など)。ただし、「言葉」と「視線」が必要で、自分より格上の相手や、精神構造が異質な魔族には効きにくいという弱点も。
- 術式の解析・修復:複雑な魔導具(支配の石環など)の構造を理解し、直すことができるエンジニアのような能力。
記憶の読み取りと譲渡の仕組み
中でも特筆すべきは「記憶を読む魔法」です。相手に触れるだけで、その記憶を読み取ることができます。
さらにすごいのが、読み取った記憶を他人に譲渡できる点です。自分の手を媒介にして、読み取った映像や情報をそのまま味方の脳内に転送するような芸当が可能です。これ、情報戦においてはチート級の能力ですよね。
戦闘能力が皆無という評価は本当なのか、アニメ版での攻撃描写との違いについて
「精神魔法はすごいけど、喧嘩は弱いでしょ?」と思われがちですが、実際はどうなのでしょうか。
メトーデや本人による「武闘派ではない」発言
原作において、彼女ははっきりと「戦闘能力は皆無」という扱いを受けています。
一級魔法使いのメトーデからは「戦闘能力が皆無」と評されていますし、本人もダンジョン攻略中に「儂等は武闘派ではない」と明言しています。基本的には、前衛が守ってくれないとあっという間にやられてしまうタイプですね。
アニメで追加された石材攻撃シーンの意味
ところがアニメ版(第24話あたり)を見ると、彼女が魔法で大量の石材を浮かせて敵に発射しているシーンがあります。「あれ? 攻撃魔法使えるじゃん!」とツッコミを入れた視聴者も多かったはずです。
これはアニメオリジナルの演出だと思われますが、完全に「攻撃魔法ゼロ」というわけではなく、最低限の自衛手段としての物理攻撃魔法(物を飛ばす程度)は使えるということでしょう。それでも、本職の戦闘用魔法使いに比べれば火力不足は否めません。あくまで「時間稼ぎ」程度の実力だと捉えるのが良さそうです。
一級魔法使い試験の結果はどうなったのか、脱落した理由を含めて
一級魔法使い試験編での彼女の結末は、ある意味で彼女の賢さを象徴するものでした。
複製体に精神魔法が効かなかった「心がない」という理由
第二次試験の迷宮(ダンジョン)攻略中、彼女たちは試験官である「ゼンゼ」の複製体と遭遇します。髪の毛を操る凶悪な物理攻撃の使い手です。
彼女は得意の精神操作魔法で「跪け(ひざまずけ)」と命じますが、複製体はピクリとも反応しませんでした。彼女は即座にその理由を見抜きます。「こやつには心が無い」と。
精神魔法は「心」に作用するもの。心を持たない魔法的な複製体には、そもそも効果がないのです。相性最悪の相手でした。
潔いリタイアと生存ルートの選択
複製体の攻撃で脇腹を貫かれ、重傷を負った彼女。普通の少年漫画ならここで「まだやれる!」と根性を見せるところですが、彼女は違いました。
「痛いのはもう嫌じゃ」
そう言って迷わず脱出用ゴーレムの瓶を割り、リタイアを選択しました。この判断の早さが素晴らしい。無理をして死亡する受験者もいる中で、自分の限界と相性の悪さを悟り、命を優先して撤退する。これもまた、優秀な魔法使いの資質だと言えるでしょう。結果として試験は不合格(脱落)となりましたが、無事に生存しています。
黄金郷のマハト編でエーデルがどのような役割を果たし、どう活躍したのか
さて、ここからが本題です。アニメ勢の方は「試験で落ちたキャラ」という印象で止まっているかもしれませんが、原作漫画ではこの後、物語の根幹に関わる超ファインプレーを見せます。
それがコミックス9巻あたりから展開される「黄金郷のマハト編」です。
レルネンと共に挑んだ高難度ミッション
試験後、彼女は一級魔法使いレルネンからの依頼を受けます。それは、七崩賢・最強の魔族と呼ばれる「黄金郷のマハト」によって黄金に変えられた都市の調査でした。
レルネンは、マハトを縛っているはずの魔導具「支配の石環」に不具合があるのではないかと疑い、その解析・修復役として、精神魔法のエキスパートである彼女を抜擢したのです。
マハトの記憶を読み取る決定的な仕事
マハトと対峙した際、彼女は一瞬の隙を突いてマハトの体に触れます。その目的は攻撃ではなく「記憶の読み取り」。
魔族の精神構造は人間とは全く異なるため、通常なら発狂しかねない危険な行為です。しかし彼女は、マハトの100年分にも及ぶ膨大な記憶を無理やり読み取りました。
この時読み取った「マハトの記憶」こそが、後にフリーレンやデンケンがマハトを攻略するための唯一にして最大の鍵となりました。彼女がいなければ、人類はマハトに勝つ手立てを見つけられなかったでしょう。戦闘力はなくとも、情報戦で最強の魔族に土をつけた。まさに影のMVPです。
パン屋で動物パン(ねこ・うさぎ・くま)を選ぶシーンなど、かわいい言動やレルネンとの関係性
シリアスな活躍の一方で、ほっこりする日常パートも彼女の魅力です。
「ねこ・うさぎ・くま」で迷うギャップ
任務の合間にレルネンとパン屋を訪れたシーン。そこには「新作パン」として、かわいらしい動物の顔をしたパンが並んでいました。
普段は冷静な彼女が、ショーケースの前で「ねこちゃん、うさぎちゃん、くまさん……」と真剣に悩みます。この「ちゃん」付けと「さん」付けの使い分け、かわいすぎませんか? 中身がおばあちゃんなら興味なさそうなものですが、やはり年相応の少女の感性も持っているようです。
「ブルジョワじゃ」の名言とレルネンとのやり取り
どれにするか決められない彼女を見て、レルネンは「全部ください」と大人買いします。それを見た彼女の反応がこちら。
「ブ、ブルジョワじゃ…!!」
パン3つでブルジョワ(金持ち)扱いは庶民的すぎて笑ってしまいますが、彼女にとっては高価なものだったのでしょう。レルネンとの関係も、まるで「孫を甘やかすおじいちゃん」のようで、殺伐としたマハト編における一服の清涼剤となっていました。
まとめ
今回は「葬送のフリーレン」に登場するエーデルについて、その正体や能力、活躍ぶりを深掘りしてみました。
| 名前 | エーデル |
|---|---|
| 魔法 | 精神操作、記憶の読み取り・譲渡、術式解析 |
| 特徴 | 「儂」口調、小柄、精神魔法のエキスパート |
| 主な活躍 | マハトの記憶解析、動物パン選び |
彼女は決して派手な攻撃魔法を放つわけではありません。一級試験でも途中退場しました。しかし、彼女にしかできない「精神魔法」という専門技術で、最強の魔族攻略に不可欠なピースとなりました。
「戦えるだけが強さじゃない」。そんなことを体現している素晴らしいキャラクターだと思います。アニメで彼女が気になった方は、ぜひ原作漫画で「マハトの記憶」を読み取る彼女の勇姿をチェックしてみてください。きっともっと好きになるはずですよ!

