「葬送のフリーレン」と検索窓に打ち込むと、すっと出てくる「結婚」の二文字。これを見て「えっ、フリーレンって誰かとゴールインするの！？」「まさかヒンメルと？」と、心拍数が上がってしまった方も多いのではないでしょうか。
正直なところ、私も最初にその噂を耳にしたときは「嘘でしょ！？」と本屋へダッシュした一人です。長命のエルフと短命の人間、どう考えても切ない結末しか見えない二人に、もしも「結婚」という未来があるのなら……。
今回は、そんな気になる噂の真相について、原作マンガを何度も読み返し、ネット上のファンの熱い考察も徹底的に洗い出した私が、ネタバレありでじっくり解説します。ヒンメルとの「幻の挙式」から、気になるシュタルク＆フェルンのその後まで、一緒に見ていきましょう。
※本記事には原作コミックスのネタバレや、物語の核心に触れる解説が含まれます。未読の方はご注意ください。
この記事でわかること
- フリーレンとヒンメルの「結婚式」は第12巻の幻影シーン
- ヒンメルが生涯独身を貫いた理由と指輪の意味
- シュタルクとフェルンの関係進展と将来の可能性
- アニメでの放送時期予想
「葬送のフリーレン」で話題のヒンメルとの結婚シーンとは？幻か現実か
結論から言うと、フリーレンとヒンメルが現実世界で役所に婚姻届を出した……という事実はありません。でも、「二人が結婚式を挙げているシーン」自体は、原作にしっかりと描かれているんです。
「どういうこと？」と思いますよね。実はこれ、ファンの間では「ヒンフリ結婚」として伝説になっている、美しくも切ないエピソードなんです。
12巻「女神の石碑編」で描かれた挙式の真相
その衝撃的なシーンが登場するのは、原作コミックス第12巻、第117話「奇跡の幻影」から第118話「フィアラトール」にかけてのエピソードです。
この「女神の石碑編」で、フリーレンたちは七崩賢の一人である「奇跡のグラオザーム」と対峙します。彼の使う魔法がまた厄介で、「対象が叶わないと諦めた幸せな夢」を見せるというもの。精神を幸せな夢に閉じ込めて無力化する、ある意味で最強の呪いのような魔法です。
その魔法によって見せられた幻影こそが、祝福の鐘が鳴り響く教会での結婚式でした。
タキシードとドレス姿の二人が意味するもの
ここで注目したいのが、グラオザームの魔法の性質です。「叶わないと諦めた幸せな夢」を見せるということは、裏を返せば「心の底ではそれを望んでいた」ということになります。
私が原作を読んでいて鳥肌が立ったのは、フリーレンとヒンメルが「同じ夢」を共有していたという点です。
| キャラクター | 夢の内容と心理分析 |
|---|---|
| ヒンメル | フリーレンと結ばれ共に生きることは、彼が生涯をかけて諦めた最大の願いでした。タキシード姿の彼は、夢の中でさえ「これは現実ではない」とどこかで気づいてしまうほど、その願いを尊いものとして扱っていました。 |
| フリーレン | 恋愛感情に疎いとされる彼女ですが、無意識の領域ではヒンメルとの「もしもの未来」を受け入れていた可能性があります。あるいは、ヒンメルの強すぎる想いに共鳴したのかもしれません。 |
誓いのキスの直前、ヒンメルが幻だと気づいて剣を取るシーンは、彼の勇者としての強さと、フリーレンへの深い愛情が同時に感じられて、涙なしには読めませんでした。
ヒンメルはなぜフリーレンと結婚しなかったのか？
幻影の中であれほど幸せそうだったのに、なぜ現実のヒンメルはフリーレンにプロポーズしなかったのでしょうか。彼は英雄として称えられ、見た目も（若い頃は特に）超イケメン。引く手あまただったはずなのに、生涯独身を貫いて76歳でこの世を去りました。
そこには、彼の「優しすぎる嘘」と「覚悟」があったように思います。
左手薬指に贈られた指輪の花言葉
言葉にしていないだけで、実はプロポーズ同然のことはしていました。それが原作4巻第30話（アニメ第14話）で描かれた指輪のエピソードです。
ヒンメルがフリーレンに贈ったのは「鏡蓮華（かがみれんげ）」の意匠が施された指輪。この花言葉は「久遠の愛情」です。
彼はその意味を知った上で、跪いて彼女の左手薬指に指輪をはめました。当時のフリーレンはその意味を知らず、ヒンメルもあえて教えませんでした。もしここで「愛している」と言葉にしてしまえば、彼女を縛り付けてしまうかもしれない。そんな配慮があったのではないでしょうか。
生涯独身を貫いた勇者の心中を深掘り
色々な考察サイトやSNSの声を分析してみると、ヒンメルが求婚しなかった理由は大きく2つの説に集約されるようです。
- 寿命の差への配慮： 人間にとっての50年は一生ですが、エルフにとってはほんの一瞬です。自分が死んだ後、フリーレンが「未亡人」として悲しみに縛られる未来を避けたかった。
- 孤独にさせないため： 恋人や夫婦という特別な関係になって死別するよりも、美しい思い出の中の「仲間」として、彼女の長い人生を彩る道を選んだ。
「君が未来で一人ぼっちにならないように」。彼が銅像をたくさん残した理由も、すべては彼女のためだったと思うと、その愛の深さに圧倒されますね。
シュタルクとフェルンの結婚はいつ？原作の進展をチェック
さて、切ない「ヒンフリ」に対して、現在進行形で期待が高まっているのが、弟子のフェルンと戦士シュタルクのカップルです。「葬送のフリーレン 結婚」と検索する人の中には、この二人のゴールインを期待している人も多いはず。
現時点で二人は結婚していませんが、その距離感は「もう付き合っちゃえよ！」と叫びたくなるほど縮まっています。
痴話喧嘩とお揃いのブレスレット
二人の関係性は、まさに「喧嘩するほど仲がいい」の典型です。フェルンがシュタルクに冷たく当たったり、拗ねたりするのは、心を許している証拠ですよね。
特に決定打となったのが、シュタルクがフェルンに誕生日に贈ったブレスレットです。なんとこれも、ヒンメルが贈ったのと同じ「鏡蓮華」のデザイン。つまり「久遠の愛情」を意味します。
シュタルク本人は意味を知らずに選んだようですが、フェルンは花言葉を知っているはず。それでも突き返さずに大切にしているあたり、まんざらでもない様子が伝わってきます。
公式での距離感はどこまで縮まった？
デート回（第67話）などを見ても、二人の雰囲気は完全に熟年夫婦のそれです。ザインをはじめ、周囲の大人たちも二人の仲を生暖かく見守っています。
個人的な予想ですが、物語の最終回付近、あるいは後日談として、二人が家庭を持つ描写が入る可能性は非常に高いと見ています。フリーレンにとっても、かつての自分たちが選べなかった「共に年を重ねる幸せ」を、弟子たちが見せてくれることは救いになるのではないでしょうか。
アニメで「結婚式」の回が見られるのはいつになる？
あの美しい幻影の結婚式、アニメーションで動くところを見たいですよね。ウェディングドレス姿のフリーレン、想像しただけで神々しいです。
まだ映像化されていない幻のエピソード
現在のアニメ（第1期）は、原作の第7巻あたりまでを丁寧に描いて終了しました。「結婚式」の幻影が登場する「女神の石碑編」は第11巻後半から第12巻にあたります。
もしアニメ第2期が制作されるとしたら、「黄金郷のマハト編」という長編がメインになるはずです。「女神の石碑編」はそのさらに後になるため、順当にいけば第2期の終盤、あるいは第3期での映像化になるかもしれません。
少し先の話にはなりそうですが、その分、クオリティには期待大です。あのシーンは間違いなくアニメ史に残る名場面になるでしょう。
まとめ
「葬送のフリーレン」における結婚について調査してきましたが、調べれば調べるほど、この作品のテーマである「人を知る」「記憶と時間」の重みを感じずにはいられませんでした。
まとめると、現状は以下のようになります。
- ヒンメルとフリーレン： 現実では結婚していないが、12巻の幻影魔法で「結婚式」が描かれた。それは二人の叶わぬ願いの形だった。
- シュタルクとフェルン： まだ結婚はしていないが、確定演出とも言えるフラグが乱立中。将来性は抜群。
- 指輪の意味： ヒンメルが贈った鏡蓮華の指輪は「久遠の愛情」。事実上のプロポーズだったが、言葉にはしなかった。
「結婚」という形にはなりませんでしたが、ヒンメルとフリーレンの間には、形以上の深い絆と愛がありました。幻影の中での一瞬の結婚式、まだ読んでいない方はぜひ原作を手に取ってみてください。きっと、冒頭のヒンメルの言葉一つひとつが、違った色を持って心に響いてくるはずです。
