「話題のアニメだから見てみたけど、正直途中で眠くなった」
「主人公が淡々としすぎていて、どこで感動すればいいのか分からない」
世間では「神アニメ」「泣ける名作」と絶賛されている『葬送のフリーレン』に対して、そんなモヤモヤを抱えていませんか?
実は、検索窓に「面白くない」と打ち込んでいるのはあなただけではありません。
SNSや匿名掲示板、レビューサイトをくまなくリサーチしてみると、この作品には「見る人を強烈に選ぶ」明確な理由があることが分かってきました。
この記事では、なぜ『葬送のフリーレン』がつまらないと言われてしまうのか、否定派の意見を徹底的に分析。その上で、あえて「それでも評価されている理由」や「どこから盛り上がるのか」について、一歩引いた視点で解説します。
※本記事には作品のネタバレや、一部辛辣な批評の解説が含まれます。苦手な方はご注意ください。
この記事のポイント
- なぜ「つまらない」と感じる人が多いのか、5つの主要な理由を分析
- 「過大評価」「持ち上げすぎ」と言われる宣伝背景
- 逆に「刺さる人」にはどう見えているのか
- 「ここまでは見て判断してほしい」という具体的な分岐点
『葬送のフリーレン』が面白くない・つまらないと言われる理由を徹底分析
まず結論から言うと、この作品を「つまらない」と感じる感覚は、決して間違っていません。
ネット上の評判やレビューサイト(Amazon、あにこれ、5chなど)の数千件近い声を独自に分析した結果、否定的な意見には明確なパターンがあることが分かりました。
多くの人が脱落してしまうポイントは、主に以下の5つに集約されます。
戦闘シーンがあっさりしすぎてカタルシス不足
もっとも多い意見の一つがこれです。「少年サンデー」連載のファンタジー漫画でありながら、『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』のような「汗と血が飛び散る熱いバトル」を期待すると完全に肩透かしを食らいます。
- 魔法が地味: 基本的に「ゾルトラーク(一般攻撃魔法)」というビームを撃ち合う描写が多く、派手な技の応酬が少ないです。
- 決着が早い: 敵が出てきても、圧倒的な実力差で瞬殺してしまうことが多く、「盛り上がりに欠ける」という声が目立ちます。
- 緊張感がない: 主人公が最初からレベルカンスト状態(世界最強クラス)なので、「負けるかも」というドキドキ感がありません。
「ビーム一本撃って終了みたいな戦闘が多すぎる」という辛口な評価も見られ、バトル漫画としての爽快感を求めると期待外れになりがちです。
ストーリーの起伏が乏しく「眠くなる」という声
この作品のジャンルは「後日譚ファンタジー」です。
魔王を倒した後の平和な世界を旅するため、どうしても劇的な事件は起きにくい構造になっています。
基本的には「街につく」→「些細な悩みを解決する」→「過去を回想する」→「出発する」というパターンの繰り返し。「話が進まない」「ただのお使いクエストを見せられている気分」と感じてしまう人も多いようです。
「人を知る旅」や「魂の眠る地(オレオール)を目指す」という目的はあるものの、タイムリミットや切迫感がないため、全体的にダラダラしているように見えてしまうのが難点です。
キャラクターがドライすぎて感情移入のハードルが高い
主人公は1000年以上生きるエルフであり、人間とは時間感覚も価値観も異なります。
そのため、喜怒哀楽が薄く、常に淡々としています。
「何を考えているかわからない」「人間味がなくて冷たい」と感じてしまうのは、この作品の設計上避けられない部分かもしれません。
また、弟子のフェルンに関しても、「常に不機嫌でシュタルクへの当たりが強い」「性格が悪い」と感じてしまい、キャラクターを好きになれずに離脱するケースも見受けられました。
世界観のゆるさや現代的な描写への違和感
重厚なハイファンタジーを期待する層からは、世界観の作り込みの甘さを指摘する声もあります。
中世風のファンタジー世界なのに「ハンバーグ」が出てきたり、現代風のパジャマを着ていたりすることに違和感を覚える人も。「そこはファンタジーらしくしてほしい」というこだわりがある人にとっては、没入感を削がれる要因になっているようです。
テンションが低く「盛り上がりどころ」が分かりにくい
全体的に静かなトーンで物語が進むため、「ここがクライマックスだ!」という分かりやすい山場が少ないのも特徴です。
「感動の押し売り」とまでは言いませんが、静かに涙を流すようなシーンが多く、感情を爆発させるような熱さを求めると「暗い」「地味」という印象だけが残ってしまいます。
「持ち上げすぎ」「過大評価」と感じてしまう背景にあるもの
作品自体の内容とは別に、「周囲の評判」と「実際の感想」のギャップに苦しむ人も多いようです。
なぜここまで「過大評価」「持ち上げすぎ」と言われてしまうのでしょうか。
広告や宣伝のゴリ押し感が反感を買った可能性
アニメ化の際、初回2時間スペシャルを「金曜ロードショー」枠で放送するなど、異例の待遇が行われました。
街中やSNSでの大々的な広告展開もあり、「どれほど凄い名作なのか」と視聴者のハードルが上がりきってしまった側面は否めません。
結果として、「見てみたら意外と普通だった」「期待していたほどではなかった」という感想に繋がり、「ステマではないか」「ゴリ押しだ」という反発を生んでしまった可能性があります。
映像クオリティは高いがテンポが遅いという指摘
アニメーション制作のマッドハウスによる作画は「神レベル」と評されていますが、一方で「演出が丁寧すぎてテンポが悪い」という指摘もあります。
漫画ならサクサク読める「間」が、アニメだとたっぷりとした尺を使って表現されるため、倍速視聴に慣れた現代の視聴者には「間延びしている」と感じられることも。「映像は綺麗だけど、話の中身が薄い」という厳しい意見も、こういった演出の丁寧さの裏返しかもしれません。
逆にどこが面白いの? 評価が分かれる決定的なポイント
ここまで「面白くない」理由を並べてきましたが、それでも本作が「マンガ大賞」を受賞し、多くのファンに愛されているのは事実です。
つまらないと感じる人と、面白いと感じる人。その境界線はどこにあるのでしょうか。
行間や余白を読む「静かなエモさ」が刺さるかどうか
この作品の最大の特徴は、セリフですべてを説明しないことです。
かつて勇者が何気なく言った言葉の真意や、銅像を建てた本当の理由など、数十年越しの伏線回収が「エモい」ポイントになっています。
派手な展開よりも、「余白」や「行間」からキャラクターの秘めた心情を察することができる人には、強烈に刺さります。逆に言えば、分かりやすいカタルシスを求める人には「説明不足」「意味不明」と映るでしょう。
「なろう系」の皮を被った「アンチなろう」という解釈
主人公が最初から最強なのは、いわゆる「なろう系」と同じ設定です。
しかし、その力で無双してチヤホヤされることが目的ではありません。
「最強なのに、くだらない魔法(花畑を出す魔法など)を愛する」
「魔王を倒した偉業よりも、仲間とのくだらない日常を大切にする」
こういった、効率や強さ以外の価値観を描いている点が、既存の俺TUEEEE作品に飽きた層に受けている要因です。
何歳向け? 年齢や人生経験で見え方が変わる
個人的な分析ですが、この作品は10代よりも、ある程度年齢を重ねた大人の方が刺さりやすい傾向にあります。
「親しい人との死別」や「もう戻れない過去への後悔」といったテーマは、人生経験を積むほどリアルに響くからです。「若い頃は退屈だと思ったけど、大人になって見返したら泣けた」という評価になりやすいタイプの作品と言えるでしょう。
「つまらなくなった」と感じた人へ:どこから面白くなるか検証
「序盤で切ってしまったけれど、評価が高いならもう少し頑張るべき?」と迷っている方へ。
実は、物語のテイストが少し変わるタイミングがあります。
序盤のゆったり旅から「一級魔法使い試験編」への変化
もしあなたが「バトルの緊張感」を求めているなら、アニメ第18話(漫画では第4巻)からの「一級魔法使い試験編」までは見て判断することをおすすめします。
ここからは対人戦(魔法使い同士のバトル)がメインとなり、頭脳戦や駆け引き、新しい魔法が次々と登場します。
「序盤は眠かったけど、試験編からは面白くて一気に見た」という声も少なくありません。アニメ版の作画と音響の本気度も、このあたりからさらにギアが上がります。
結局、見続けるべきか切るべきかの判断基準
最後に、あなたがこの作品を見続けるべきかどうかのチェックリストを作ってみました。
| こんな人は今すぐ切ってもOK | こんな人は「もう少し」見てほしい |
|---|---|
|
・『呪術廻戦』のような熱いバトルが見たい ・ウジウジ悩むキャラが苦手 ・1話完結でスカッとする話が好き ・「雰囲気アニメ」が嫌い |
・『キノの旅』や『蟲師』が好き ・能力バトルや頭脳戦は嫌いじゃない ・映像美や音楽で雰囲気に浸りたい ・「死」や「時間」というテーマに興味がある |
まとめ
『葬送のフリーレン』が「面白くない」「つまらない」と言われるのは、作品の質が低いからではなく、コンセプトが「静かで淡々とした後日譚」だからです。
万人受けするエンタメ作品ではないため、「合わない」と感じるのはごく正常な反応です。
ただ、もしあなたが「つまらない」と感じたその理由が「まだ序盤だから」だとしたら、もう少しだけ先を見てみるのも悪くないかもしれません。
その静けさの奥にある感情の機微に触れたとき、この作品はあなたにとって「忘れられない一本」に変わる可能性を秘めています。

