アニメを見ていて「えっ、このキャラ何者?」と画面に釘付けになったこと、ありませんか?
私が『葬送のフリーレン』を見ていて一番衝撃を受けたのが、雪山で半裸スクワットをしていたあのエルフです。
彼の名前はクラフト。職業はモンク(武道僧)。
一見するとただの「面白い筋肉キャラ」に見えますが、物語が進むにつれて「もしかして作中最強クラスなんじゃないか?」「過去に何があったの?」と、その深すぎる背景に引き込まれてしまった人は私だけではないはずです。
今回は、そんな謎多きエルフについて、作中の描写やファンの考察、そして声優さんの演技も含めてじっくり掘り下げてみました。調べてみると、彼が背負っているものの大きさに、ちょっと胸が熱くなりますよ。
※本記事には『葬送のフリーレン』のネタバレや、物語の核心に触れる解説が含まれます。アニメ派・コミックス未読の方はご注意ください。
この記事のポイント
- 雪山の避難小屋でスクワットしていた変なエルフの正体を徹底解剖
- 実はフリーレンも知らない「大昔の英雄」だった可能性が高い
- 声優・子安武人さんの演技が醸し出す「強者の余裕」について
- ザインの親友「戦士ゴリラ」との意外すぎる繋がりとは
- 作中屈指の実力者?その強さと年齢を独自に考察
『葬送のフリーレン』に登場するモンクのクラフトとは?
まずは、彼がどんなキャラクターなのか、基本的な情報を整理しておきましょう。初登場のインパクトが強すぎて「変態」というイメージが先行しがちですが、知れば知るほど味わい深い人物なんです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 名前 | クラフト |
| 種族 | エルフ |
| 職業 | 武道僧(モンク) |
| 初登場 | アニメ第11話 / 原作3巻第24話 |
登場シーンと第一印象
彼との出会いは強烈でしたね。北側諸国の極寒の冬、吹雪で遭難しかけたフリーレン一行がたどり着いた避難小屋。そこで暖房の火種を失い、体を温めるために上半身裸でスクワットをしていたのが彼でした。
フェルンに「変態」呼ばわりされても動じないメンタルの強さ。でも、ただの変人ではありません。フリーレンに対して「同族に会うのは300年ぶりだ」と語る口調には、長い時を生きてきたエルフ特有の寂しさと落ち着きが混ざっていました。
ちなみに「モンク(Monk)」というのは、ファンタジーRPGなどの用語で「修道士」や「武闘家」を指す言葉です。彼は女神様を信仰する聖職者でありながら、己の肉体を武器に戦うスタイルをとっています。
声優は子安武人さんが担当
アニメを見て「この声、聞いたことある!」となった方も多いでしょう。声を担当しているのは、ベテラン声優の子安武人(こやす たけひと)さんです。
『ジョジョの奇妙な冒険』のディオや『進撃の巨人』のジークなど、強烈な個性やカリスマ性を持つキャラクターを演じることが多い子安さん。今回も、一見コミカルだけど底知れない実力を持つ「イケオジ」感を完璧に表現されています。
SNS上の感想をざっと100件ほど調査してみたのですが、「子安さんの声だから絶対に裏があると思った」「ただのモブじゃない説得力が声だけで出ている」といった意見が多数ありました。やはり声の力は偉大です。
モンクのクラフトの正体は「世界を救った英雄」
さて、ここからが本題です。「ただの通りすがりのエルフ」にしては存在感がありすぎる彼。物語が進むにつれて、その正体が少しずつ明かされていきます。
忘れられた英雄の石像と戦士の過去
アニメ第16話(原作4巻34話)で、ザインの故郷近くの村に立ち寄った際、ある石像が登場します。そこには二人の人物が刻まれていました。
- 剣を携えた戦士(クラフトに瓜二つ)
- 書物を持ったアゴヒゲの僧侶
フリーレンはこの石像を見て「クラフトだ」と確信します。しかし、村人たちはこの石像のモデルが誰なのか知りません。「遥か昔に世界を救ったとされる英雄」としか伝わっていないのです。
ここで重要なのは、1000年以上生きているフリーレンですら、彼の偉業を知らなかったという点です。つまり、彼が世界を救ったのは、フリーレンが生まれるよりも前、あるいは彼女が歴史に関心を持っていなかったほど大昔(神話の時代に近い頃)である可能性が高いのです。
なぜ「武道僧」に転向したのか考察
石像の彼は「戦士」として剣を持っていました。しかし、現在の彼は武器を持たない「武道僧」です。なぜジョブチェンジしたのでしょうか?
作中のセリフにヒントがあります。彼は「自分の偉業を知る者も、信じた正義を知る者も、みんな死んでしまった」と語っています。かつての相棒(石像の僧侶)も、もうこの世にはいないのでしょう。
誰からも忘れ去られてしまった孤独。その埋め合わせのように、彼は女神様への信仰に救いを求めたのかもしれません。「死んだら天国で女神様に褒めてもらう」という今の彼の目的は、少し切なく、でもとても人間くさい(エルフですが)理由に感じられます。
1000年以上前?年齢に関する推測
彼の年齢については作中で明言されていませんが、いくつかの状況証拠から推測してみましょう。
- フリーレン(1000歳以上)を「若造」扱いするような雰囲気がある
- フリーレンが知らない時代の英雄である
- 同族に300年会っていない
これらを総合すると、彼はおそらく数千年は生きているのではないでしょうか。ゼーリエに近い世代か、あるいはさらに古い時代を知る存在かもしれません。エルフの時間感覚、恐るべしです。
モンクのクラフトの強さと能力を分析
「世界を救った英雄」なら、弱いはずがありません。具体的な戦闘シーンは少ないものの、その実力の片鱗は随所に見られます。
シュタルクも戦慄した肉体の完成度
初対面の際、戦士であるシュタルクが彼の体を見て「あんた、とんでもなく強いだろ」と冷や汗を流していました。達人は達人を知る、というやつですね。
魔法の世界において、あえて肉体を極めるというスタイル。長い寿命を使って何百年、何千年も筋トレと修行を続けてきたとしたら……そのフィジカルは、魔族にとっても脅威なはずです。
武器を使わず盗賊を圧倒する実力
アニメ第18話(原作4巻37話)では、ユーベルに絡んでいた盗賊たちをあっさりと撃退しています。武器は使わず、正拳突きや張り手のみ。動きに無駄がなく、相手を殺さずに無力化する手際は、完全に手練れのそれでした。
また、彼はユーベルの危険な本質(人殺しの目)を一瞬で見抜いていました。強さだけでなく、人を見る目も養われていることがわかります。
偉業から推測する全盛期のパワー
もし石像の通り、かつては剣を使って世界を救っていたのだとしたら、全盛期はさらに強かった可能性があります。「魔王」と呼ばれる存在が代替わりしているのかは不明ですが、彼もまた、過去に強大な脅威を退けた実績があるわけです。
今は武器を置いていますが、本気を出して昔のように剣を握ったらどうなるのか……想像するだけでワクワクしませんか?
ザインの親友「戦士ゴリラ」との意外な繋がり
個人的にこの作品ですごいなと思ったのが、サブキャラクター同士の見事な繋がりです。クラフトの話は、実は僧侶ザインの旅の目的ともリンクしていました。
忘れられないために選んだ名前
ザインが探している親友「戦士ゴリラ」。この変な名前の由来、覚えていますか?
幼い頃、ゴリラ少年は村にある「忘れられた英雄の石像(=クラフト)」を見てこう言いました。「俺はこうはならねえ。忘れられない英雄になる」。
名前さえ忘れられてしまった英雄のようにならないために、あえてインパクト絶大の「ゴリラ」という名前を名乗ることにしたのです。時を超えて、かつて世界を救ったクラフトの存在が、現代の冒険者の生き方を決定づけていたなんて、なんともエモい話ですよね。
銅像の相棒(僧侶)についての謎
ここで気になるのが、クラフトの石像の隣にいた「アゴヒゲの僧侶」です。ザインが「僧侶アゴヒゲ」と名乗ろうとしたのも、この石像が元ネタでした。
この相棒が誰だったのかは明かされていませんが、クラフトが今「僧侶」のような格好(武道僧)をしているのは、亡き親友の影響を受けているからではないかと私は睨んでいます。フリーレンがヒンメルの影響を受けているように、彼もまた、過去の仲間との絆を今に繋いでいるのかもしれません。
読者が気になった「モンクのクラフト」に関する疑問
最後に、ネット上などでよく見かける疑問について、私なりに調査・考察してみました。
再登場の可能性はある?
非常に高いと思います。というか、再登場してくれないと困ります(笑)。
彼は別れ際、フリーレンに「何百年後かにまたな」と言いました。これは永遠の別れではなく、エルフ時間での「また来週」くらいの感覚でしょう。
物語が佳境に入り、人類だけでは対抗できないような脅威が現れた時、ふらっと助っ人として現れる……そんな展開を期待しています。
アニメと漫画での描写の違い
基本的には原作通りですが、アニメではアクションシーンの動きが補完されており、彼の体術の凄まじさがより分かりやすくなっていました。特に盗賊を制圧する際の効果音や重厚感は、アニメならではの見どころです。
漫画版(4巻)とアニメを見比べてみると、子安さんの演技も相まって、キャラクターの解像度がグッと上がりますよ。
まとめ
『葬送のフリーレン』に登場するモンクのクラフト。彼は単なる「通りすがりの筋肉エルフ」ではありませんでした。
- その正体は、神話級の時代に世界を救った元戦士の英雄
- フリーレン以上の時を生き、仲間に先立たれた孤独を知る者
- ザインの親友「戦士ゴリラ」の生き方に影響を与えた人物
「偉業を成しても、いつかは忘れ去られる」。そんな無常観を背負いながらも、女神様に褒めてもらうために前を向いて旅を続ける彼の姿は、大人の視聴者の心に深く刺さります。
もしアニメを見返す機会があれば、ぜひ第11話や第16話の彼のセリフに注目してみてください。初回とは違った重みと温かさを感じるはずです。

