「ワンパンマンって、タイトルからしてあの国民的アニメのパクリじゃないの?」
「最近流行りのマッシュルも、なんだか似てる気がする……」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
正直に言うと、僕も最初にタイトルを見たときは「これ、怒られないのかな?」って心配になりました(笑)。
でも実は『ワンパンマン』は、単なる模倣作品ではなく、計算し尽くされた「パロディ」と「リスペクト」の塊なんです。
さらに最近では、その影響を受けた後発作品も登場して、「パクリ」という言葉だけでは片付けられない面白い現象が起きています。
この記事では、元ネタとされる『アンパンマン』との比較から、『マッシュル』との類似騒動、さらに作中に隠されたマニアックなオマージュまでを、ゆる〜く検証していきます。
これを読めば、作品をもう一度見返したくなること間違いなしですよ。
- アンパンマンとの類似は「愛のある確信犯」
- マッシュルとの関係は「パクリ」ではなく「継承」?
- 作中にはドラゴンボールやコナンの声優ネタも満載
ワンパンマンはアンパンマンのパクリ?公式の見解と類似点
まず、誰もが最初に思い浮かぶ「アンパンマン」との関係について。
結論から言っちゃうと、これはもう意図的なパロディです。原作者のONE先生も意識していると言われていますし、隠す気がないのが清々しいレベルです。
国民的ヒーローとの意外な共通点
主人公・サイタマと、みんな大好きアンパンのヒーローを見比べてみましょう。
- 名前:ワンパンマン ⇔ アンパンマン
- 必殺技:ワンパン(一撃) ⇔ アンパンチ
- 配色:黄色いスーツに赤い手袋 ⇔ 赤いスーツに黄色い手袋
- 特徴:どちらもハゲ(スキンヘッド)でマント着用
お気づきでしょうか?
配色の反転なんかは、まさに「鏡写し」のような演出ですよね。
記号的なデザインをあえて似せつつ、少しずらすことで「これはパロディですよ!」と全力でアピールしているわけです。
第1話の敵キャラと声優が完全に「アレ」な件
さらに決定的なのが、第1話に登場する怪人「ワクチンマン」です。
見た目は紫色の肌に2本の触覚。
名前は「ワクチン」マン(対して「バイキン」マン)。
そして極めつけはアニメ版の声優さんです。
なんと、あの中尾隆聖さんが声を担当しているんです。
そう、「はひふへほ〜」でおなじみのあの方です。制作側がノリノリでキャスティングしているのが伝わってきますよね。
これはもう「パクリ」という次元を超えた、公式レベルの「悪ふざけ(最大限のリスペクト)」と言えるんじゃないでしょうか。
盗作ではなく「愛情あるオマージュ」と言える理由
「パクリ」って言うと、コソコソ盗んで自分のものにするイメージがありますよね。
でもこの作品の場合、「元ネタがあのヒーローであること」を読者が知っている前提で、ギャグやストーリーを作っています。
「もしもあの優しいヒーローの世界が、もっとシビアで現実的だったら?」
「愛と勇気だけじゃなくて、圧倒的な暴力(パワー)で解決しちゃったら?」
そんなIF(もしも)の視点から生まれた独自の世界観こそが、多くのファンに愛される理由なんです。
アニメのクオリティも凄まじいので、ぜひTVアニメ「ワンパンマン」公式サイトでチェックしてみてください。
逆にワンパンマンがパクられた?「マッシュル」との類似性
さて、ここからは逆のパターン。
「ワンパンマンのパクリではないか?」と話題になったジャンプ作品『マッシュル -MASHLE-』についてです。
魔法界の筋肉少年と設定が似すぎている件
たしかに『マッシュル』と『ワンパンマン』には、無視できない共通点があります。
- 主人公の能力:魔法や超能力の世界で、「圧倒的な筋力(物理)」のみで解決する
- 性格:無気力・平熱系でありながら最強
- 構図:「ハリー・ポッター」の世界観に「サイタマ」を放り込んだような設定
「あ、これ見たことある!」って思った人も多いはず。
僕も最初は「おっと?」と思いましたが、読み進めるとまた違った面白さがあるんですよね。
作者が語る作品へのスタンスとリスペクト
でも、これも悪質な盗作とは言えません。
『マッシュル』の作者・甲本一先生は、インタビューで「ワンパンマンが好き」「影響を受けている」と公言しています。
つまり、ワンパンマンが生み出した「最強主人公によるシュールギャグ」というジャンルを受け継いで、それを魔法ファンタジーという別の舞台で展開した「後輩作品」と捉えるのが自然かなと思います。
漫画の歴史って、こうやって影響を受け合いながら進化していくものなんですよね。
気づいてた?作中に隠された有名作品へのオマージュ集
この作品の面白さは、特定のヒーローだけじゃありません。
アニメや漫画好きなら思わずニヤリとしてしまう小ネタが、これでもかと仕込まれています。
声優キャスティングに隠された遊び心
アニメ版を見ると、声優さんの使い方が本当に豪華でユニークなんです。
- ドラゴンボール:さっき紹介したワクチンマンの声優さんは、フリーザ様と同じ。主題歌もJAM Project(影山ヒロノブさん)で、DBZへの愛を感じます。
- 名探偵コナン:天才少年「童帝」の声は高山みなみさん(バーロー!)、博士キャラ「クセーノ博士」は緒方賢一さん(阿笠博士)です。そのまんまですね(笑)。
- 進撃の巨人:「音速のソニック」の声は梶裕貴さん。「駆逐してやる」と言いそうな雰囲気がたまりません。
あの名作冒険漫画へのリスペクト演出
作画担当の村田雄介先生は『HUNTER×HUNTER』のファンであることを公言されています。
作中のコマ割りや構図、ナレーションの入れ方に「あ、これハンターっぽい!」という演出がチラホラ。
漫画好きなら、こういう元ネタ探しも楽しみの一つですよね。
原作が気になる方は、となりのヤングジャンプで一部無料で読めるので覗いてみてください。
まとめ
いろいろ検証してみましたが、僕の中での結論はこうです。
『ワンパンマン』における類似点は、隠す意図のある「パクリ」ではありません。
元ネタへの愛と敬意に溢れた「パロディ・オマージュ」であり、それを楽しむのが大人の嗜み(たしなみ)ってやつでしょう。
- アンパンマン:あえて似せて笑いと哀愁を誘うパロディ
- マッシュル:遺伝子を受け継いだ次世代のリスペクト作品
- その他:声優や演出でアニメ文化全体へ敬意を捧げている
「これってあの作品のオマージュかな?」
そんなふうに探しながら見るのも、この作品の醍醐味です。
まだちゃんと見たことがないという方は、食わず嫌いせずにぜひ一度見てみてください。
スカッとする爽快感と、思わず吹き出しちゃうギャグのバランスが最高ですよ!

